【将来に向けて、IT人材を育成しながらデジタル化加速やIT内製化を考える企業の皆様へ】
「社内人材でIT施策を主体的に進められるようになりたい」「ITノウハウを社内に蓄積したい」等、現状からの改善を目指されている方、お気軽にご相談ください。
第0話:社内IT人材の育成を進める目的と得られる効果
第1話:「費用」の妥当性が不明なままでは、費用対効果の検証できませんよね?


「危険な暑さ」。暑さに対して「危険」という表現まで日常的に使われるようになったこの2020年の夏。上着無し・ノータイに続き、ビジネスシーンでも認められるセミフォーマルな半ズボンが登場するのが心待ちに思える日々です。在宅勤務を含めたテレワーク・リモートワーク活用が進んでいるとはいえ、在宅・外出(出社等)を織り交ぜて勤務されている方も多い様子、体調管理方法も毎年アップデートしていく必要がありそうです。

さて、今回は「費用」の観点から「社内IT体制強化」について述べてみたいと思います。

例えば、自社オリジナルなITシステムの開発に際して、「内製するか?」「外注するか?」を検討することとなる場合、「費用」を無視して考えるわけにはいきません。

自社内製の場合は、自社スタッフのITスキルや人件費をある程度正確に把握でき、必要な人数・期間が分かれば概算できます。一方、外注の場合は、業界横断的な料金テーブルがあるわけでもなく、委託先候補の提示してきた見積もり金額・請求金額を精査する必要が発生します。

「ITは分からないから全部丸投げ」を排除して、そもそも費用の市場間や費用算出の根拠が自社で判断できるようにすることで、限られたIT予算の振り分けにもメリハリがつき、内製・外注の選択観点に限らず、適正かつ効果的なIT施策推進や運営を助けることにつながります。

そのためにも、ある程度目利きのできるIT人材を育てる・確保すること、必要ですよね?

納得して中間マージン分を支払っていますか?

取引の流れだけでも変わってしまう費用

ご存じの方も多いと思いますが、IT業界では「多重下請け」構造が常態化しており、案件対応に際して「自社だけだと不足しているエンジニア」を外部から調達する形もあれば、「案件実行体制・能力を持たず、案件を右から左に流すだけ」で得る中間マージンで成立しているIT企業も少なくありません。

取引の流れだけでも費用が変わってしまう背景
取引の流れだけでも費用が変わってしまう背景(イメージ)

上記は、同じ作業を同じITベンダーが担当するのであっても、商流の違いだけで費用に差が出ますよね?という例として、いくつか挙げてみました。
こんな単純な例だけでも、価格(クライアントから支払われる費用)には、1.3倍の開きが発生しました。数千万円、数億円規模のような規模の大きいITシステム開発になれば、下請けも、2次、3次・・・と多重が進んでいきますから、ますますコストが膨らみがちになります。
建設業界でも「一括丸投げは間に入るブローカーだけが利益を得る」と話す方もあるようなので、似たような商流構造を持つIT業界も同様なのでしょう。

もっとも、コストの膨張を抑えるために、クライアントが支払っている作業者単価には見合わないような浅いスキルレベルのエンジニアに実作業を引き受けさせるような「工夫?」がされる場合もありますから、一概には費用が膨らむとは言い切れないのですけれど。

仮に、上図B社のような進行管理だけの担当であっても、クライアントの利益を考えながらパワフルに活動してくれる元請ITベンダーも多く存在しています。

他方、必要な存在なのかな?と思うのは上図C社。最適なITベンダーを紹介できるノウハウやナレッジは有償での提供サービスに値するものだと思いますが、いわゆる「上乗せ」されてしまうと、実作業費用が分からず費用対効果を正確に算出できなくなってしまうので、「作業費」と「ITベンダー紹介費」のように分けて費用を提示してもらえたらいいな・・・と発注側としては思いますよね。(そういう費用内訳が通りにくいので、作業費を装って上乗せする訳ですが・・・)

「付き合いが長いITベンダーだと、指示も適当でいいから自分が楽」といった発注担当者の「手間削減」最適ではなく、企業として必要な費用内訳になっているかを精査・検証できるようにするためにも、IT業界のビジネス構造や実態にアンテナを張った「IT人材」の存在は重要です。

ITの疑問解決を通して「目利き力」を高めませんか?

ITノウハウを自社に取り戻すために

費用を精査・検証できるようなIT人材の必要性について述べてみました。「そうは言っても、急にそんな人材は?」が課題ですよね?
費用に関する「目利き力」の習得には「経験値=対応した数(対応したベンダー数、対応したIT作業数等)」がモノを言うように思っています。

多くの事案に接することで、「そういう考えをするITベンダーがあるのか」、「同じ目的なのに、こんなにいろいろな実現方法があるのか」といった引き出しがどんどん増えていき、そのようなさまざまなIT要素と費用の関係を相関的に判断できるようになります。

ただ、「経験値がモノを言う」ということは、人材育成に一定の時間はかかるということと表裏一体でもあります。しかし、だからこそ「今から」の準備が必要です!ということを、特に強調させてください。

なぜなら、今はまだ
 ●ITやデジタルのビジネス活用が進んだ会社(すごいね!)
 ●それ以外(普通だよね)
といった区分でデジタルビジネスが受け止められているように感じますが、更なる技術やITサービスの発展により、遠くない将来、
 ●ITやデジタルのビジネス活用が進んだ会社(普通だよね)
 ●それ以外(遅れているね)
の評価区分にシフトしていくことが予想されます。

そこまで差が開いてしまってから初めて社内IT体制の強化を始めても、手遅れ感は否めません。ITの何もかもについて一度に充実した体制を整え切る必要はありません。
もし、現状IT施策が、外部に依存し過ぎている状況なのであれば、先ずは「費用」に関する部分だけで良いので、ノウハウを自社に取り戻す所から進めていきませんか?

ITに関するノウハウを自社に取り戻そう!
ITに関するノウハウを自社に取り戻そう!

必要があれば「最初は」外部の支援を受けながら

社内にITに関するある程度の経験値を持つスタッフが既にあるようであれば、一時的にであっても、そのスタッフに「ITリーダー」的な役割を務めてもらうのも有効だと思います。
企業や経営者の目線も含め、IT施策や具体アクションを考える役割を担ってもらいます。この人材は是非「社内で」アサインしてください。(ここを外部に任せてしまっては、いつまでも社内にスキルが溜まりません。)

そして、先ずは「(IT施策に関する)費用」をテーマに、これまでの過去社内案件の記録収集・分析や、専門的な知識(「ITベンダーはどうやって見積もりをしているのか?」、「どのような情報を提供すると、ベンダー間の見積もりのバラつきが減るのか?」等)を身につけてもらいましょう。

もし、今もちょうど動いているIT事案があるのであれば、オブザーバーとしてでも良いので、ITベンダーとのやり取りの場に積極的に参加してもらいましょう。

企業におけるデジタルトランスフォーメーションの進み方

当初時点では、アサインしたITリーダーの経験値やスキルが未だ不十分で・・・ということであれば、暫くの間だけITリーダーをサポートできる人材を外部に求めるのが良いでしょう。

その際は、ITスキルだけ優れていても今回の「IT人材育成」という目的には適しないと考えられますから(自社の経営や管理を担った経験が無い者が、他社の経営者の思いや考えを想像しながら活動できるとは思いません)、年齢、性別とかではなく、「部長以上の管理職経験があるか?」、「収益含め自ら責任者として参画したITプロジェクトがあったか?」等、どちらかと言えば、「ビジネス側の経験」の多少や内容により、依頼する外部サポート人材を募ると良いと思います。

繰り返しになりますが、技術やサービスを外部から調達することはできても、「御社のビジネスを考えられる」+「IT視点で考えられる」人材の育成・獲得は容易ではありません。組織や人材の育成に時間・期間を要するのはIT人材も他役割同様です。

社内IT人材を少しでも早く育成・獲得して、デジタルビジネスで遅れを取らないようにしなければ!!