「もっと社内のIT推進力を強化しよう!」「ITを活用して作業効率があげよう!」とお考えの皆様に向けて、クラウドサービス等を組み合わせた「アジャイルIT」(スピード優先)実現の手掛かりになればと投稿するものです。お役に立てば何よりです。 なお、記載内容の動作確認等は行っていますが、どのような環境・状況においても同様に実現できることを保証するものではありませんので、その点はご了承ください。

【オフィスワークとリモートワーク共存によるFAX業務を実現】
インターネットFAXの利用で「オフィス以外の場所でもFAXの送受信ができること」の認識は広まったように思いますが、例えば、オフィスと在宅とで分かれて業務を実施する場合は、お互いの作業状況も共有できていないと、現実的には実現が難しい(業務効率が著しく下がる等)ものです。
作業場所によらず、みんなでスムーズにFAX業務を実現できるように・・・、今回は、そのための実現方法の一つを「非・ITエンジニア」の皆さんにご紹介します。
プロローグ:FAX業務をテレワークでも効率的に行えるようにしませんか?
【FAX業務もテレワークで:Step 1】受信FAXをクラウドサービスで利用できるようにしましょう!


前話『プロローグ:FAX業務をテレワークでも効率的に行えるようにしませんか?』でご紹介したFAX業務のテレワーク化。今回から具体的な方法を、何回かに分けて説明していきます。
クラウドサービス上での設定が続くので、普段の業務よりは「ちょっと難しいぞ」と思う人がいるかもしれませんが、ドラッグ&ドロップやクリック等の操作で進めていける手順が大半なので、普段から、新しいクラウドサービスやITソフトウェアの導入に興味津々な人には面白く作業いただけるのではないかなと思います(きっと)。

それでは、初めていきましょう。

今回の実現範囲

前半戦では、次図のように、受信したFAXを、kintone上に用意した業務用の自社クラウドアプリに登録するところまでを目指します。

受信したFAXをkintone上に用意した業務用の自社クラウドアプリに登録
受信したFAXをkintone上に用意した業務用の自社クラウドアプリに登録

『integromat』というクラウドサービスが持つ機能は、「異なる複数のサービスを、人の代わりに上手に接続・連携してあげること」と表現できます。
例えば、上図のフローで言えば、複合機やFAX機に届いたFAXを回収し、その内容を見ながら、別の業務アプリケーションに入力し直す・・・といった作業は、人手によって簡単に実現することはできますが、効率的とは言えません。そこで、このような機械的単純作業をintegromatに代わりにやらせよう(機械化、自動化しよう)というわけです。

また、今回はFAXを電子メールに変換する(複合機やFAX機の機能を利用)ことで電子化をしていますが、もし、受信FAX用紙という紙媒体を使って業務フローが組み立てられているとすれば(紙に追記するとか、紙を回覧して担当者を振り分けるとか)、リモートワーク中のスタッフとの分担は絶望的ですよね。

設定手順(Step by Step)

Step 1での設定

Step 1では、受信したFAXメールをintegromatに通知・転送して、さまざまなサービスと連携可能にするための「入力」部分(次図)を設定します。

Step 1での設定範囲
Step 1での設定範囲

『integromat』への登録(Sing up)

integromatの公式サイトからユーザー登録をしましょう。画面右上の「Sign up」ボタンをクリックすると、氏名や電子メールアドレス等の入力フォームが表示されますから、必要な情報を入力し、ユーザー登録を行います。(いろいろと試す期間中は「FREE」プランで十分です。)

※. integromatの基本的な使い方等の説明・解説は省略しますので、ネット検索(日本語での情報ページも多く見られます)等で、必要に応じてご確認ください。

メール受信

integromatでは、自動化フロー(今回は「メール受信~kintoneアプリへの登録」)の始まりから終わりまでを「シナリオ(Scenario)」、そして、シナリオ中の一つ一つの処理のことを「モジュール(Module)」と読んでいます。

例えて言うと、こんな感じです。

  • シナリオ
    • 会社に休暇申請を提出する。
  • モジュール
    • 休暇申請書を作成する。
    • 上司に提出し、承認印を押してもらう。
    • 人事担当者に提出する。

それでは、始めていきましょう。(画像が小さくて見づらい場合は 、画像をクリックすると大きな画像が表示されます。)

①「Create a new scenario」ボタンを押して、新しいシナリオの作成を開始します。

② 画面中央の大きな「+」アイコンをクリックして、追加するモジュールを選択します。

③ 表示されている一覧から「Webhooks」を選択(クリック)します。

④ 表示されている一覧から「Custom mailhook」を選択(クリック)します。

⑤ 「Webhooks」 入力 ボックス(タイトル欄:赤色)の「Add」ボタンをクリックすると、「Add a hook」 入力 ボックス(タイトル欄:青色)が表示されます。
ここで、他と区別し易い名称を入力して「Save」ボタンを押下します。

⑥ 「Webhooks」入力ボックスに、「@hook.integromat.com」のメールアドレスが表示されますので、「OK」ボタンを押下します。

先ず、ここまで進められたでしょうか?

手順⑥で専用のメールアドレスが一つ発行されました。integromatが、このメールアドレス宛てのメールを受信することで、今回作成しているシナリオが自動的にスタートするような仕組みです。

自社のメールアドレス設定

ここで、いったん、integromatの設定を離れ、自社のメールアドレス設定変更が必要となります。
例えば、受信FAXが転送される自社メールアドレスが「xxx@mycompany.com」(この設定は、複合機またはFAX機の機能や設定に拠ります)である場合は、 「xxx@mycompany.com」 宛ての電子メールを、手順⑥で発行されたメールアドレスに転送(複製して送信のような形)できるよう設定してください。

※. メール設定は各社ルールに従って管理されていると思いますので、ご自身の権限外である場合は、システム管理者やメールアカウントの管理者にご相談ください。

見出し

複合機やFAX機からのメール転送先を、直接、integromatのメールアドレス(xxx@hook.integromat.com)には設定しないようにしましょう。
自社メールアドレスとintegromatメールアドレス個別に転送することで、次のような業務上のメリットを獲得するためです。
●integromatの障害発生時でも、多少の工夫で業務継続が可能となる。
 ⇒ 事業リスクを低減することができる。
●それぞれのメール通数一致確認により作業漏れ無しを確認できる。
 ⇒ 作業品質の向上が図れる。

ここまでで動作の確認

⑦ メールの転送準備が完了したら、一度、動作確認をしてみましょう。integromat画面の左下「Run once」ボタンを押下して、サービスを起動します。

⑧ integromatサービスが起動されると、実際に転送メールが受信される(または「Stop」ボタンが押下される)まで、メールの受信を監視し続けている状態となります。

ここで、試しに自社のFAX受信用メールアドレス(前で説明した内容の xxx@mycompany.com に相当するメールアドレス)宛てに、添付ファイル付きの電子メールを1通、送信してみましょう。

※. FAX受信テストが可能であれば、実際にFAXを送信してみることでも、もちろんOKです。

⑨ integromat宛てに転送メールが到達すると、サービスは自動的に停止し、1通受信したことを表す「1」の数字アイコンが表示されます。

⑩ 「1」の数字アイコン(マウスを乗せると、虫眼鏡のアイコンに変化します)をクリックすると、受信したメールの情報が表示されます。

手順⑧で送信した電子メールの情報(件名:Subject、日付:DateやText:本文を確認すると分かり易い)と一致するか確認しましょう。

ここまで確認できたら、先ずは、FAX受信とintegromatの連携は『完成!!』です。

今回はここまで

いかがだったでしょう? 難しかったですか?

もしかしたら、途中やり直しが発生したり、部分的に「あれ、うまくいかないな?」ということが発生したかもしれませんが、でも、操作は概ねドラッグ&ドロップとクリックだけで完結できたのではないかと思います。

手順が長くなるので回を分けて説明を続けていきますが、今回のような仕組みを仮にITベンダーさんに頼むとしたら、それなりの金額も作業期間を要すると思いますし、また、一言でITベンダーと言っても、新しい技術に全くキャッチアップできていないベンダーさんには「対応不可」だったりします。更には、御社業務に精通していないITベンダーさんであれば、業務や要望等を「予め社内で決定」して説明する工数も発生することになるでしょう。

『VUCA:Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity』という言葉にもあるように、ビジネスにとって未来の予測は難しくなる一方で、IT技術についても同様のことが言えます。

そのような中にあっては、変化することを前提に、変化にいかに素早く追随できるような体制を整えておけるかが重要。
ITに関する専属部門やスタッフを新設または増強することは難しいかもしれませんが、そうであったとしても、今回ご紹介するような程度のことなら試行錯誤しながら自社スタッフでできる・・・、ようなITスキルの底上げは必須と考えられます。

次回記事では、受信したFAXメールをkintoneに登録するまでをご紹介しますので、ご期待ください。