事例紹介

概要・背景

A社は、一般消費者向け商品を販売している小売店舗向けの卸販売をビジネスとしている企業で、主に営業とバックオフィス業務を担当するスタッフで構成されています。

継続的にアクティブな得意先だけでも数百社との取引があり、適宜、Fax、電子メール、電話で発注を受け付けています。社内にはシステム担当のIT知識豊富なスタッフもいるのですが、得意先である小売店舗の利便性を考えるとFaxによる受付を廃止することはできず、例えば、発注をすべてインターネット経由のシステムに統一する等のA社一方的なIT化を実行しづらい状況にあります。

改善前の業務フロー(紙を作業記録・指示書として利用)
改善前の業務フロー(紙を作業記録・指示書として利用)

発注手段の割合が一番多いのがFaxということがあり、他の手段(電話、電子メール)で受け付けた発注も紙にプリントアウトし、その紙に、各担当者が必要な情報を手書きで追記したり、別の関係書類をクリップ留めで追加したりしながら、次の担当者に回していくという方法が取られていました。

解決したい課題

電子化こそされていませんが、スタッフが業務内容に精通していることもあり、特に大きな問題もなく業務は運用されていましたが、次の内容が課題として挙がっていました。

  • 柔軟に働ける仕事環境をスタッフに提供できるよう、恒常的にリモートワークを採り入れていきたいが、現在は「紙」の存在が前提になっているので、現状の環境や業務フローでは対応できない。
  • 処理上必要な情報は紙に追記されていくが、各担当者がどのような確認や判断をした結果なのかまでは分からず、確認し直さなければならない時がある。作業記録やチェックリスト的なものを含め、情報共有を進めたい。

A社では、以前から業務改善活動を継続的に進めていましたが、社会状況の変化などもあり、いよいよ受注業務のIT化にも手をつけることになりました。

対応した内容・効果

改善後の業務フロー(指示書としての紙を廃止)
改善後の業務フロー(業務フローから紙を排除)

ポイント:タスク管理アプリを導入して電子化・見える化の実現

法定の保管義務への対応として「紙」を完全に排除することはできませんが、普段の業務フローにおいては紙を利用せずに済むようタスク管理アプリを導入しました。
発注1件ずつ進行状況の管理や作業内容の記録を行えるようにし、作業状況や担当者ごとの負荷の偏りなども「誰からも」一目瞭然となり、これで社内の「見える化」前進と言えます。

また、発注手段として最も件数の多いFaxを、すべて手作業でタスク管理アプリに登録するのでは作業負荷が今より高くなってしまうため、電子メールでタスク登録できる機能を持つアプリを選定しています。

ポイント:アプリをクラウド型にして「場所」的な制約を排除

最近のセキュリティー・トピックとして「社内LANからのアクセスは安全、インターネットからのアクセスは危険」という昔ながらの考え方ではなく、「あらゆるネットワークは危険。だから、利用者や利用デバイス(端末)でしっかり認証する」という新しい考え方『ゼロトラスト』が話題になっています。

A社でもその考え方を採り入れ、VPN経由のリモートアクセスで自宅からオフィスPC端末にログインして作業するのではなく、どこからでもインターネット経由で利用可能なアプリを導入しました。

「従業員皆でリモートワークしようとしたら、そのために導入しておいたITサービスが、トラフィックに耐えられず障害で使えない」といった大手ITベンダーのサービスもあったようです。VPNを使わずに、インターネット回線さえあれば利用できるクラウド型アプリ導入は、事業継続の観点からもメリットと言えます。

支援内容

主な活動内容

今回の事例では、次のような支援をさせていただきました。

  • 現状業務フローのヒアリングと改善可能な業務部分のご提案
  • 導入ソフトウェア機能および業務との親和性調査の上での具体導入アプリのご提案
  • 業務マニュアルの様式テンプレートご提供
  • 就業規則(テレワーク規定)の確認や改訂ポイントのご提案
  • 主に業務担当者向けのタスク管理アプリの使い方説明会開催

成功要因

新型コロナウイルスの発生による社会状況の変化が、今回の業務IT化を強く後押しした部分はあったと考えられます。

そのような中、「在宅勤務でも業務に支障が無いのであれば、従業員が自由にワークスタイルを決められる環境を整えていきたい」との経営層の強い思いがあり、また、その方針の下で、システム担当者と業務担当者も前向きに「新たな変化」を捉えていた様子が印象的です。

日付・時間帯を分けて、1人~2人ずつ業務ヒアリングをした時に、自分の業務に生じる変化だけでなく、小さなお子さんのいる他スタッフや今後増えるかもしれない新スタッフのことなども考えながら、皆さんが自社業務を真剣に考えていました。

まだ新業務フローはスタートしたばかりですが、皆さんが上記のような意識で業務を実行されているので、これからもいろいろ工夫・改善されながらうまく運用が進むこと間違いなさそうです。

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